ロンボク島旅行記

2003年11月01日 プロローグ・旅立ちへの懸念
 明日は旅立ちの日。今回のインドネシア・ロンボク島への旅にあたって、計画当初から1つの懸念が私の頭 をよぎっていた。その懸念とは我が愛読書である旅行ガイド「地球の歩き方」に記されていた注意書きである。 それは、「インドネシア入国の際は、主要指定空港以外からの場合はビザが必要」というもの。主要空港として 指定されているのはジャカルタ、メダン、バリなどで、ロンボク島のマタラム空港には指定の表記がない。そこ で、ロンボク島の旅行体験記を片っ端からインターネットのサイトで検索すること丸一日。だが、ほとんどの旅 行者はバリから入国し、ロンボク島へはその後に渡っている。
 今回のロンボク行きも、2年前のタイ・ピーピー島の旅の時もそうだったが、私は近接するバリやプーケットと いった巨大観光施設に何の用もないし、魅惑も感じない。ならば一日も早く目的の島まで行って、一日も長くそ こに滞在していたい。そんな気持ちで格安航空券を探しまくった。シンガポールを経由する日本からの便は、バ リ行きとロンボク行きで航空券の金額に大差はない。バリからロンボクまではメルパチ航空の国内線で往復約 8000円の経費が必要である。ならばバリなんかで無意味な滞在をするよりも、直接ロンボクに渡った方が遥か に得である。こうして、見事な作戦を立てた自分を褒めたのもつかの間、最悪の場合は入国拒否という心配事 がつきまとう結果に陥ってしまった。
 恐る恐るインドネシア大使館に電話で問い合わせをする。電話の向こうで大使館員は冷たい言い方でこう話 す。
 「マタラムからは入国できません」
 「ビザがあれば入国できるのですか?」
と、私。
 「観光ビザというモノは存在しません」
 「じゃあ、どうすればいいのですか?」
 「バリから入って下さい」
 「もうマタラム行きの航空券を買ってしまったんです」
半べそ状態で、今度は旅行会社に電話した。
 「私どもが提供してきた航空券で、今までに入国を拒否された例はございまん、お気をつけて行ってらっしゃ い」
と、実に淡々とした言い方だった。
 今更じたばたすることもない。最悪入国できなくても、
 (入国拒否された事もひとつのいい思い出になるさ)
と、開き直って出発前の日本の夜を過ごした。
 今回、航空券を手配してもらった旅行社の「ジャパンバリツアーズ」。1000円の手数料を払ったが、事前に航 空券が郵送されてきた。こんなことは初めてである。普通、格安航空券の場合は航空券は空港渡しが基本で ある。その為に少なくとも搭乗2時間前には空港の集合場所に赴かなければならない。今回はいきなり航空会 社のカウンターに出頭する。
 「マイルを貯めますか?」
などと、カウンター職員に尋ねられて、初めてのことなのでポカンとしてしまった。



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