ロンボク島旅行記

2003年11月04日 ベモにて
 午後も2時を回った。ショッピングセンターのマタラム・モールからスンギギのホテルに戻るのに、タクシーだと Rp.20,000(260円)くらいが相場だろうか。別に時間はあるわけだし、再びベモを乗り継いで帰ることにした。もう ベモを捕まえるのは簡単になってしまった。遠慮なく手を挙げて止めて、行き先を告げて、目的地が合わなけ れば、乗らなければいいのだ。大体、ベモに乗りたそうな顔?をして歩いていれば、ベモの方から止まって、待 っててくれる。
 アンペナン行きの黄色い車体のベモ内はほぼ定員を満たしている。更に、頭で大きな荷物を運ぶ女性が乗り 込もうとしてきた。他にも彼女の手荷物は2つある。乗客は詰め合って、彼女と荷物のためにスペースを作る。 お陰でかなり窮屈になってしまった。荷物はザルに載せられた三角すいの「ちまき」だった。蒸かしたての証拠 に湯気がほのかに立ち、笹の香りを車内に満たす。彼女はアンペナンの市場へ行商に行く途中なのだろう。
 「これ食べられるの?」
と、彼女に聞いてみた。しかし、英語が通じない。正面の男が、
 「ライスだよ」
と、教えてくれた。ホテルで夜食に食べるのに欲しいと思い、1つを山積みから取って、Rp.1,000(13円)札を彼 女に手渡した。
 (これじゃ、足りないかな?)
ところが彼女は喜んだ様子で、あと2つを私の手にねじ込んだ。
 アンペナンで黄色いベモは終点。強制的に降ろされる。料金はRp.1,000(13円)だった。スンギギ行きのベモ は既に3人の乗客が待機して発車を待っている。私が4人目だった。先客のうちひとりは、アンペナンまで一緒 にベモに乗ってきた女子大生だった。その後すぐに2人の乗客が現れ、「早く出発させろ!」と、ドライバーをあ おり始める。乗客パワーが勝って、軽トラ・タイプのベモは走り出した。
 今度私の目に映った光景が、乗客のひとりの若い女性が手にしている1羽のひな鳥。「ピヨピヨ」と、鳴き声が 可愛い。ペットなのかな?それとも・・・。
 ホテル前で「ストップ!」の一言でベモは止まった。Rp.1,000札を助手に渡したが、これではRp.500足りないと 文句を言われた。多く渡してしまう分には何も言わないくせに。お陰でこのベモ路線の正確な料金を知ることが できた。 



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