ロンボク島旅行記
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この島にはチドモすら我々乗客を出迎えてはくれなかった。とりあえず暇そうに佇んでいた人に「コン
チキ・コテージ」を案内してもらう。このコテージも予約はしていない。「地球の歩き方」に載っていた宿
泊情報で知っただけである。昨日は目当てのコテージがまさかの廃業。今回はすんなりといきたいも
のだ。
ところが、そうはすんなりとはいかなかった。道案内の男は荷物こそ持ってくれなかったが、キチンと
私をコンチキ・コテージまで案内してくれた。お礼にチップを渡そうとしたが、勝手にどこかに行ってしま
った。コテージはお世辞にも満室に近い盛況ぶりとは思えなかった。が、営業はしているようである。レ
ストランで寝ていたフロント係を叩き起こして、料金折衝に入る。
「1泊Rp.35,000です」
実はこの時、私はケタを1つ間違えて相手の言うことを聞いていた。数字の「0」がやたらに多いインフ
レ経済下の国では、頻繁にこんな勘違いをするものである。1泊Rp.350,000ではトラワンガンの時より
も高いではないか。そんなに物価が高いのか、この島は。相手は更に続けた。
「デラックス・タイプはRp.50,000です」
この時初めて自分が桁違いを起こしているのに気付いた。即、デラックスを2泊で契約した。因みにRp.
50,000は0を2つ取って、1.5倍すれば750円。実際のレートでは1.3倍であるが。桁違いを起こしても不
思議ではないくらいに安い。
このコテージの現・宿泊客は水着が干してある1棟のみ。レストランも客不足で営業はしておらず、飲
み物の提供のみ。トーストなら朝食で出せると言う。電気不足は一層深刻で、部屋の電力供給は日の
入りから日の出までとのことだった。
早速部屋でシャワーを浴びる。海水のコールド・シャワーでマンディー(行水)用の手桶も備わってい
た。トイレは水洗・洋式で助かった。このトイレがやがて私との腐れ縁となる。
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