ロンボク島旅行記
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午後8時。電気が供給されたコテージも、豆電球程度のお慰めの灯火である。星を見るためにコテージのビ
ーチに出る。が、眩しいくらいの月光。横になっているオリオン座が確認できたが、他は見えない。サザン・クロ
スとの再会は今回の旅行では無理のようである。
ビーチ・チェアーに仰向けになって、月を観察する。ずーっと見てると、目が焼けてしまうくらい強烈な月の光。
薄い雲が、この月を覆ったり、また出たりと、見ているだけでも結構退屈しないものである。
持参したラジオのスイッチを入れる。短波放送で聞くNHKの国際放送。長嶋監督率いるアテネオリンピック出
場がかかった野球五輪の予選が気になっていたからだ。が、感度は悪く、かろうじて聞こえる懐かしい日本語
の響きも、島の風と波の音には勝てなかった。どんな文明の利器も、この島では役に立たないと言うことなの
か。
かえって煩わしいラジオのスイッチを消して、波の音を聞くのに専念した。遠くからかすかに聞こえるコーラ
ン。月は相変わらずの大光量で島を照らす。
こんなことをしていて、2時間も時を過ごしてしまった。腹が痛くなったので、コテージに戻る。
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