ロンボク島旅行記

2003年11月07日 インドネシア式トイレ術
 もの凄い腹痛を伴った下痢が始まった。額からは脂汗がタラリ、タラーリと。こんな経験は生まれて初めてで ある。食中毒だろうか。それともコレラ、赤痢。考えれば考えるほど恐ろしくなる。変なことばかり考えるようにな って、それがまた不安を増大させる。
 (とりあえず日本大使館に連絡しようか)
 (電話なんか、無い)
 (隣の西洋人カップルに助けを求めようか)
 (この島には看護婦のみで、医者なんか居ない)
 (医者が居るのはマタラム)
 (マタラムじゃ手術はできない)
 (手術ができる病院があるのはバリかジャカルタ)
 (より高度な医療はオーストラリアかシンガポールまで行かないと)
 深夜、日付は変わった。相変わらず水便の下痢が続く。備え付けのトイレット・ペーパーを使い果たしてから が大変だった。水桶を使って、水を垂らしながら、手でお尻を洗う羽目に。インドネシアでは非常時以外でも、こ のスタイルが当たり前なのだが、私には左手を使ってこの作業をすることが困難だった。利き腕ではない左手 では不器用この上ないからだ。効率よく、かつ正確さを求めれば、自然と右手を使っていた。インドネシアでは 不浄とされるのは左手であるが、私は右手を不浄にしてしまった。
 幸運にも水のような便だったから、このお尻の洗い方も比較的容易だった。固かったら、と思うとゾッとする。 基本的にインドネシアの公共のトイレで紙は流せない。約10日間の滞在で、このような目に遭わなかったのは ラッキーだったと思う。
 1時間おきにやってくる腹痛と下痢。眠りにつけたのは未明のことだった。



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